SWOT分析

SWOT分析は戦略策定においての環境分析として、非常にメジャーなフレームワークです。内部環境を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」、外部環境を「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」に分けて分析します。

SWOT分析だけでは内部環境と外部環境をそれぞれ2つに分けただけであり、意思決定には利用できません。そのため、基本的に単独で使用されることはなく、通常はSWOT分析の後にクロスSWOTを行います。

内部環境

競合と比較して、優位な点が強み(Strength)、劣位な点が弱み(Weakness)です。

注意していただきたいのは、強みと弱みとは、あくまでも競合と比較した相対的なものだということです。競争環境によっては強みが弱みになりえますし、逆に弱みが強みに変わることもありえます。「作業の速さに自信がある、だから納期がうちの強みだ」と思っていても、競合も同じ程度の期間で納品できるのであれば、顧客から見たときに違いがありませんので、それは強みになり得ません。

また、SWOT分析を行うのに慣れていない時にありがちなのですが、強みと事象を混同してしまうというものがあります。例えば「顧客満足度が高い」は強みではなく事象です。顧客満足度の高い理由(経営資源や付加価値を提供しているプロセス)が強みとなります。

外部環境

自社にとって好影響を受けそうな状況が機会(Opportunity)、悪影響を受けそうな状況が脅威(Threat)となります。PEST分析5フォースモデルで分析したものを分類すると良いでしょう。

強み・弱みは競合と比較ができるのですが、機会・脅威は自分がそう捉えているだけで、実際は違うということも考えられます。例えば、市場の拡大を売上をアップできる機会と捉えるか、競合が増えるために競争が激しくなる脅威と捉えるかは、分類する自分次第です。その結果、分析結果が事実とは乖離する可能性もありえます。

SWOT分析は内部環境と外部環境を単純化し、それぞれ2つに分類するという非常に分かりやすいフレームワークではあるのですが、逆に言えばどちらにも分類できないものを見落としてしまう可能性があります。また、見落としに加え、前述したように「強み・弱み」「機会・脅威」の分類は、分類する人の捉え方によって変わるなど、環境の分析のためのフレームワークとしては、あいまいな部分があるという欠点も備えています。

理解度Check

以下の文章は正しいでしょうか?もし間違っているならどこが間違っているでしょうか?

SWOT分析は強み、弱み、機会、脅威から戦略を策定するためのフレームワークである。

×不正解
SWOT分析とは内部環境を強みと弱み、外部環境を機会と脅威に分類することで、環境分析を行うためのフレームワークです。戦略を策定するにはクロスSWOTを行う必要があります。

経営戦略概論

環境分析

戦略意思決定

参考資料