経営資源

経営においては主にヒト、モノ、カネ、情報を経営資源と定義づけています。それぞれが何を指しているのかを以下の表にまとめました。

ヒト 人的資源
モノ 設備、施設などの物的資源
カネ 現金・預金などの資金
情報 ノウハウや知的財産など、組織の持つ無形資源

従業員(ヒト)が設備(モノ)と資金(カネ)とノウハウ(情報)を使用して事業活動を行い、その結果として売上(カネ)を得ます。売上の一部を従業員への給料や教育、新たな採用のための資金として、また設備資金として投資を行います。さらに、日々の業務の中でノウハウを得るというサイクルを繰り返すことになります。

ヒト

経営資源の中で唯一意思を持っています。また、その他の経営資源を使うのはヒトなので、最も重要な経営資源と言えるかもしれません。

どういった従業員を何人雇用し、それぞれどのような業務を担当し、そのためにどのように教育をしていくか。従業員が効率的に働くためにはどのような組織にするか、高いモチベーションを持てるようにどういった評価制度にするかといったことが経営判断として求められます。

モノ

設備は業務の効率性に直接の影響を与えます。クリエイターの場合はPC、ソフトウェアが主なものでしょう。フォトグラファーや映像関係の事業をされている場合はカメラが加わるでしょう。

設備は豊富であるに越したことはありません。しかし、過剰な設備投資は経営を圧迫します。目標達成のために、どのような設備をどう活用するか、どのタイミングで投資を行うかといったことが経営判断として求められます。

カネ

事業を行うにあたり、何をするにしても資金が必要です。資金が尽きたら会社は倒産ということになります。

資金を調達するにあたっては、主に売上によるものと金融機関による融資が考えられます。常日頃から金融機関の担当者と懇意にしておくのも資金調達をスムーズにするために求められるでしょう。

情報

組織のノウハウ、ブランド、顧客との関係性といった形のないものが全て該当します。

事業を行っていくために、あるいは競合に勝つためには、設備のような資金があれば手に入れられるものだけでは競争優位性を得にくいです。ユニークなノウハウ、顧客との関係性といった、模倣が難しい無形資源が必要です。特に中小企業はヒト・モノ・カネといった有形の資源を豊富にそろえるのは難しく、無形資源であるノウハウが重要な経営資源となります。

また、クリエイターの場合は特にノウハウやスキルが属人的になりやすい傾向にあります。個人のノウハウやスキルをいかにして組織の資産とするか、その仕組みづくりを行うことも必要になります。

理解度Check

以下の文章は正しいでしょうか?もし間違っているならどこが間違っているでしょうか?

経営資源とは有形のものだけではなく、ノウハウや知的財産のような無形のものも含まれる。

○正解
中小企業はヒト・モノ・カネを豊富にそろえるのが難しいため、無形の経営資源が重要になりです。

経営戦略概論

環境分析

戦略意思決定

参考資料