経営戦略と言われると、大企業だけのものであって、零細企業や個人事業主としてやっているクリエイターには関係がないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
企業であれ個人事業主あれ、恒久的に事業を続けていくことを前提としています。そのためには、自身にとって機会があれば、それを掴もうとするでしょう。逆に脅威があれば、それを回避したり耐え忍んだりするはずです。
周囲の環境に流されるまま、ただ依頼された仕事をこなすというのは、いうならば海で漂流しているのと変わりはありません。その状態で希望の期間内に目的地にたどり着くというのは単に運任せでしかありません。もちろんそれは経営とは言いません。
経営を行なうということは、環境の変化に対応しながら、自分が持っている資源をどのように使用して目標を達成するかを決め、実行する必要があります。それが経営戦略です。
繰り返しになりますが、経営戦略とは決して大企業だけのものではなく、事業規模の大小にかかわらず必要だということはお分かりいただけたのではないでしょうか。
経営戦略の立案と実行に必要なこと
環境の変化に対応しながら、自分が持っている資源をどのように使用して目標を達成するかを決め、実行するためには、以下のことが必要になるでしょう。
- 現在の環境を把握すること
- 中・長期的な視点を持つこと
- 効率的な選択・運用ができること
現在の環境を把握すること
目標を達成するためには、まず現状と目標とのギャップを把握する必要があります。そのギャップから逆算して、いつ、何を、どこまで実行するかを検討する必要があります。
当然ながら個々のクリエイターごとに置かれている環境は異なります。したがって、それぞれが、現状をきちんと把握することは戦略立案を行う上で最初のステップと言えるでしょう。
中・長期的な視点を持つこと
今後の経営に関わる戦略ですから、目標設定や意思決定においては、今後の展望を類推し、鑑みることが必要です。
例えば、現在の需要に基づいて商品・サービスを開発したとます。開発・販売までに1年かかったとしたら、リリースされるときには1年前の需要に基づいた商品・サービスになっています。その時にはすでに需要が変わっているかもしれません。
効率的な選択・運用ができること
いつまでに何をするかを決めたら実行をすることになります。計画を達成できるように実行するためには、限りある経営資源をできる限り効率的に、有効的に活用する必要があります。そのための状況把握と意思決定を行う必要があります。
理解度Check
以下の文章は正しいでしょうか?もし間違っているならどこが間違っているでしょうか?
収益性の高い企業をベンチマークし、模倣することが理想的な戦略と言える。
- ×不正解
- 他の企業を参考にすること自体は悪いことではありませんが、外部環境、内部環境の条件が異なる企業を模倣しても意味がありません。自社に置かれた状況を鑑みて戦略を立案する必要があります。