VE

VEとはバリューエンジニアリング(Value Engineering)の略で、製品の生産やサービスの提供にあたって、投入されるコスト(Input)に対する機能(Output)の向上を図る考え方です。

VEにおいては提供する価値を以下のように考える。

VEイメージ
  1. コストを下げて、機能を維持する
  2. コストを維持し、機能を高める
  3. コストが高まるが、機能をさらに高める
  4. コストを下げて、機能を高める

クリエイターにおいてはコストとは単に金銭的な費用というよりも投入する時間を、機能は制作物のクオリティと読み替えて考えるとイメージしやすいでしょう。

分子である機能が下がり、その割合以上に分母であるコストが下がっても価値は上がりますが、VEにおいては機能・コストの両方とも下げるという考え方はしません。

1.コストを下げて、機能を維持する

分母が小さくなるため価値が大きくなるという考え方です。クリエイターに置き換えて考えるなら、クオリティを維持しながら制作にかかる時間を短縮するというイメージで捉えていただくと宜しいかと思います。

制作にかかる時間の短縮のためにできることはないか。ECRSできないかといったことを検討します。

どうしても人間は慣れたやり方を好みますし、習慣化してしまうと慣性が働くために変化に対する抵抗もあるでしょう。しかしやり方を変えない限り時間の短縮は果たせませんので、意識的にやり方を変えていく必要があるかもしれません。

2.コストを維持し、機能を高める

分子が大きくなるため価値が大きくなるという考え方です。クリエイターに置き換えて考えるなら、制作時間を維持しながらクオリティを高めるというイメージで捉えていただくと宜しいかと思います。

時間をかければ制作物のクオリティが高まるのは当然ですが、事業としてやっている以上は時間的制限が常について回ります。クオリティが高まるが時間もかかる作業を、より短い作業時間で行うようにするといった工夫により、制作にかかる時間を増やさないで制作物のクオリティを高めるようなことを検討する必要があります。

3.コストが高まるが、機能をさらに高める

分母が増えるものの、それ以上の割合で分子が増えるため、価値が大きくなるという考え方です。クリエイターに置き換えて考えるなら、時間をかけた分、より高いクオリティのものを制作するというイメージで捉えていただくと宜しいかと思います。4つあるVEの考え方の内で、制作物の価値を高めると言われて一番イメージしやすいかもしれません。

4.コストを下げて、機能を高める

分子が小さくなるうえに、分母が大きくなるというVEの4つの考え方の内で最も理想となる考え方です。クリエイターに置き換えて考えるなら、作業時間を短縮しながら、より制作物のクオリティを高めるというイメージで捉えていただくと宜しいかと思います。

理解度Check

以下の文章は正しいでしょうか?もし間違っているならどこが間違っているでしょうか?

顧客に提供する価値を向上させるということがVEの前提となっている。

×不正解
提供する価値を維持しながらコストを下げるという考え方もVEです。分子である価値は変わりませんが、分母であるコストが下がると結果として価値が上がることになります。

生産管理概論

業務改善の考え方