QCD

生産管理の対象である品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)を合わせてQCDと言います。生産管理とは、QCDの改善が目的だと言えるでしょう。

品質を高めるためには納期が長くなり、コストも高くなります。低コストで提供をしようと思ったら、品質や納期が犠牲になります。また、納期を早めようと思ったら、品質を抑えたり、前出・残業によってコスト増えるといったことがありえます。このようにQCDの3つはトレードオフの関係にあり、いかにこれらのバランスを取っていくかが重要です。

品質(Quality)

出来上がった提出物の品質を指しています。クリエイターに限った話ではありませんが、基本的には品質は高いことが前提です。

改善のポイントとして考えると、psdファイル、aiファイル、inddファイルといった制作のためのファイルの品質のことも含めて考えても良いかもしれません。psdファイルにおいてレイヤー構成やフォルダ、レイヤーの名前の付け方などが整理されておらず、ゴチャゴチャだったら再度利用する際の作業時間にも影響するでしょう。その結果、コスト(C)や納期(D)にも悪影響を与える可能性があります。

コスト(Cost)

その名前の通り費用のことです。一般的にクリエイターは制作にかかるコストのほとんどが人件費です。仕入れた材料を加工してプロダクトを生産する製造業であれば、材料の調達の仕方次第でコストダウンを行うことも可能です。しかし、人件費の場合は同じようにはいきません。作業の効率を高めることでコストダウンを図ることになるでしょう。

納期(Delivery)

基本的にはその名前の通り、納期をいかにして順守するかということです。

改善のポイントとして考えると、作業工数と捉えた方が腑に落ちるのではないでしょうか。いかに効率化して工数を減らすかということになります。制作にあたり、単に手を早く動かすということだけで改善する、制作に使用するソフトウェアのショートカットを駆使する、そういったことも必要ですが、それらはあくまでも対処法でしかありません。場合によっては、効率を高めるためにプロセス自体を根本的に変えてしまう必要もあるでしょう。

作業の工数が短くなることで、コストダウンが期待できます。また、より制作物の品質を固めて受注単価を向上させる、あるいは受注量を増やすことができるようになります。

理解度Check

以下の文章は正しいでしょうか?もし間違っているならどこが間違っているでしょうか?

クライアントが納得できるレベルでQCDのバランスを取ることが求められる。

○正解
事業である以上、高い付加価値を提供したうえで利益を得なくてはいけません。そのためにQCDの管理が必要になります。

生産管理概論

業務改善の考え方