ムリ・ムダ・ムラ

作業効率化においてなくすべき3つの指標です。「3M」「3ム」さらにムを取って「ダラリ」と呼ばれることもあります。業種や企業によって「ムリ」「ムダ」「ムラ」の改善のプライオリティは異なりますが、作業を効率化する上では全てなくすべきことです。

クリエイターの場合、クライアントと直接のやり取りだけでなく、広告代理店からの制作の受注もあります。そういった場合、担当者が朝令暮改の指示を出してくるといったことは日常茶飯事かもしれません。その分ちゃんと対価をもらうのは当然のこと、担当者に改善を求める、あるいは改善要求が難しいのであれば、そういった広告代理店との付き合いも改めるといった社内以外のムリ・ムダ・ムラの改善も必要になります。

ムリ

通常2人の作業者が1週間かかる作業を、1人の作業者で1週間の作業時間で完成させるというような、目標達成に対して経営資源が不足している状態を指します。

実行が難しい業務、達成が難しい品質や納期は作業者に過剰な負担がかかります。一定の品質のものを提供するには、相応の対価と作業時間が必要になります。仕事を受注したいがためにムリな受注をすることで従業員のモチベーションが下がり、その結果退職に繋がっては元も子もありません。作業者に過剰な負担を強いないと経営が成り立たないというのであれば、それは作業レベルでの改善ではなく、経営レベルで改善すべきことです。

ムダ

付加価値の提供やQCDの改善に寄与しない作業、それがムダです。

クライアントとのやりとりで、きちんと取り決めをしないために何度もやり直しや修正が発生するというのは日常茶飯事ではないでしょうか。また、実行することそのものが目的になってしまっている会議はムダの典型例と言えるでしょう。営業担当者の業務日報にどれだけ時間をかけるのでしょうか?

誰もムダな作業をやりたくはないので、ムダをなくしたいという考えはどなたも抱いているはずですが、習慣化してしまい、疑問を抱かずにやっている作業も多いのではないでしょうか。

ムダは5SECRSの観点で削減すると良いでしょう。

ムラ

作業や成果にバラツキがある状態です。ムラが発生するのは、ムリとムダがあるからです。

顧客からの要望を受け、サービスを提供するクリエイターにとって、品質のムラ、コストのムラ、作業時間のムラといったことを完全になくすことはできません。しかし、ムリとムダを削減することで、QCDの全てにおいて改善につながるはずです。

ただし、プロジェクトの明確な目標と最適な作業計画がなければムラであるかどうかを判断できません。したがって、作業の計画が立てられ、管理されている必要があります。

理解度Check

以下の文章は正しいでしょうか?もし間違っているならどこが間違っているでしょうか?

ムリ・ムダ・ムラをなくすためには、作業者に手待ち時間があるぐらいの一定以上の余裕が必要である。

×不正解
常識の範囲内での休憩時間を含めた余裕は確かに必要ですが、作業をしていない手待ち時間もなくすべき「ムダ」です。

生産管理概論

業務改善の考え方