プロモーション(Promotion)

プロモーションは簡単に言えば販売促進のための活動ですが、顧客との関係性を向上させるためには、顧客からの意見を聞き入れることやアフターサービスが必要になることがあります。そのため、顧客視点から見ると双方向の情報のやり取りという意味でコミュニケーションとなっています。

クリエイターなら直接的、間接的を問わずプロモーションに携わっている方も多いでしょう。しかし、ツールの制作がメインであって、プロモーション戦略の全体像として捉える機会はなかなか少ないのではないでしょうか。

プロモーション戦略立案

プロモーション戦略立案を行うに当たっては、主に以下の手順で行います。

  1. ターゲットの明確化
  2. 目的・目標の設定
  3. メッセージの作成
  4. プロモーションチャネルの選定
  5. 予算の決定
  6. プロモーションミックスの決定

プロモーションを実行したらその結果をフィードバックして、精度の向上を図ります。

1.ターゲットの明確化

最初に誰に対してプロモーションを行うかを明確にします。これはSTPで設定した対象や、製品の使用者と必ずしも一致するとは限りません。例えば、ベビー服を着るのは赤ん坊ですが、赤ん坊が自分の意思で服を買う訳ではないので、プロモーションの主なターゲットは自分の子供のために服を買う赤ん坊の親になります。

2.目的・目標の明確化

マーケティング目標達成のためのプロモーションにおける目的・目標です。新発売の商品・サービスなら認知度向上が目的・目標になりますし、定番商品なら購買時に思い出してもらうことが目的・目標になります。

3.メッセージの作成

ここでいうメッセージとはコピーや具体的な文言のことではありません。商品・サービスのベネフィットを中心として、商品・サービスの比較優位性や信頼性、価格など、何を市場に対して伝えるか、ということです。

4.プロモーションチャネルの選定

訴求したいターゲットに対して効率的に、また効果的なプロモーションを行うに当たって、どういった経路でプロモーションを行うかを選定する必要があります。人と人が直接コミュニケーションを行う人的なチャネルと、メディアやパブリシティを活用した非人的なチャネルという考え方があります。

5.予算の決定

アメリカの百貨店経営者のジョン・ワナメーカーは「広告の半分が無駄であることは分かっているが、分からないのはどちらの半分が無駄なのかだ」という言葉を残していますが、プロモーションによる効果を明確にすることが困難であるため、プロモーションにかけるべき経費をどれだけにするというのは非常に難しい問題です。以下の方法が代表的な予算の決定手法です。

支出可能額法

多くの企業が取っている手法で、広告予算として支出可能な金額を予算とする方法です。予算ありきであるため、長期的な計画を立てるには不向きな方法です。

売上高比率法

売上実績あるいは予想売上高の一定の比率を広告予算とする方法です。プロモーション予算の算出が容易ですが、売上の増減に伴ってプロモーション費用も増減するので、長期的なプロモーション計画を立てづらいという欠点があります。

競争者対抗法

競合他社の広告予算に合わせてプロモーション予算を設定する方法です。プロモーションの量で競合に勝つことを目指した方法ですが、企業の知名度やブランドイメージ、財務状況などの条件が異なるため、単純にプロモーション費用だけを上回ったとしても意味がないという考え方もあります。

目標基準法

シェアや売り上げ、ブランドイメージ向上など、マーケティング目標達成のために必要なタスクを決定し、そのタスクに必要なコストを見積もる方法です。当然ながら、見積もりの精度が求められるため、コスト算出が難しいという欠点があります。

6.プロモーションミックスの決定

ターゲットに訴求をするに当たって、適切な手法やその組み合わせを決定します。マーケティングツールにはそれぞれ特徴があります、以下に代表的なものをピックアップします。

広告

TV、ラジオ、新聞、雑誌の4マス媒体やインターネット広告が該当します。企業そのものを訴求したり、企業のブランドイメージを高めたりするための企業広告と、個別の商品・サービスを訴求する製品広告に分類されます。訴求したいものをダイレクトに広告するだけでなく、一部を小出しにして期待感を高めるティーザー広告や、編集記事の体裁を装ったアドバトリアルなどの手法があります。

パブリシティ

企業がマス媒体に対して新製品情報などの素材を提供し、第三者として報道してもらう手法です。広告ほどのコストは不要で、広告とは異なり第三者の視点で報道されるために信頼性や顧客に対するインパクトは大きい傾向があります。ただし、報道をするかどうかの判断は媒体側に委ねられているため、コントロールが難しいという欠点があります。

ダイレクトマーケティング

DMや電話などを用いて、メッセージを直接見込み客に届ける方法です。ターゲットごとにメッセージを変更したり、相手の反応に応じて修正したりすることも可能です。ただし、きめ細やかな対応をしようとすると、対象にできる数が制限されます。

販売促進

販売促進とは、消費者の購買を促すために短期的な購買欲を刺激する活動です。消費者向けだけでなく、流通業者に売上に応じたリベートを渡す、販売店教育をするなど、流通業者向けに行ったり、社内のセールスコンテストなど、社内向けに行ったりする手法があります。

人的販売

見込み客を直接訪問する営業、実演販売、勧業展などでの顧客対応が該当します。直接的に相手の反応を見ることができたり、関係性を築くきかっけが得られたりする可能性がありますが、対象にできる数が制限されます。

口コミ

消費者に対して話題性を提供することで商品・サービスに関する口コミを意図的に広める手法で、バズ・マーケティング、バイラル・マーケティングとも呼ばれています。低コストで広い範囲へ効果が波及することが見込めますが、口コミが拡散する範囲やスピード、内容のコントロールが非常に難しいという欠点があります。

理解度Check

以下の文章は正しいでしょうか?もし間違っているならどこが間違っているでしょうか?

プロモーションも経営戦略策定と同様に、誰に何をどのように伝えるのかを決め、その後に具体的な方法を検討する。

○正解
マーケティングミックスの4Pの内、プロモーションだけは外注されがちです。外注先となるクリエイターは、制作の前にマーケティングのターゲットと目的、目標成果などを確認しておく必要があります。

マーケティング概論

STP

マーケティングミックス