製品(Product)2

企業や事業者が提供するのは製品(有形財)だけだとは限りません、サービスという無形財もあります。また、使用者も一般消費者と事業者がいます。それぞれ顧客の購買行動が異なります。

一般消費者 産業材
有形財 消費財 産業材
無形財 一般消費者向けサービス 事業者向けサービス

有形財の特徴

形がある製品には、主に最終消費者や一般家庭で使用される消費財と、産業用の資材として生産者などに販売される産業材があります。それぞれ購買に至る経緯などが異なります。

消費財 産業材
購買者 最終消費者 事業者(企業、官公庁など)
購買目的 個人的な満足の充足 事業活動のため
購買量 少量 一般的には大量
購買経緯 衝動的、慣習的であることが多い 合理的、計画的であることが多い

さらに、消費財には消費者の購買頻度や特性にとって最寄品、買回品、専門品、非探索品に分類することができます。

最寄品

コンビニで飲み物を買う際には、ほとんど時間をかけずに商品を選びますよね。このように購買頻度が高く、購買するにあたって意思決定にかける時間が短い日用品などが該当します。

買回品

最寄品と比べて購買頻度は低く、購買するにあたって性能・機能や価格などの比較に時間をかける消費財で、家電製品や衣類などが該当します。一般的に、最寄品と比較して商圏が広がる特徴があります。

専門品

性能・機能や価格などの比較に時間をかけるような高級車や高級腕時計などのハイブランド商品が該当します。買回品と比較して、さらに商圏が広くなったり、購入するための手間を惜しまなくなったりする特徴があります。

非探索品

消費者が不要と考えているもので、今までに存在しなかった革新的な商品・サービスも認知されるまで非探索品に該当します。

Check Point
最寄品、買回品、専門品とでは性能・機能や価格だけでなく、流通経路やブランドイメージも異なります。例えば、製品を訴求するためのWebサイトを制作するにしても、最寄品、買回品、専門品では、それぞれWebサイトに訪問する目的が異なっていますので、訴求すべき内容もそれぞれ異なるはずです。

無形財の特徴

形のない、いわゆるサービス財のことで、主に一般消費者向けサービスと、事業者向けサービスとに分けられます。有形財同様に事業者向けは計画的、合理的な意思決定の基に購買が決定されます。無形財は次のような特性を持ちます。

無形性

無形財は形がないため、目で見たり触ったりすることができず、購入前に品質を確認することが難しいという特徴があり。そのため、購買を検討している人に対してサービスの内容や品質が伝わるように可視化を行う必要があります。制作実績やポートレートなどが可視化に該当します。

品質の変動性

無形財は誰が提供するのか、いつ提供するのかによって品質のムラが発生することが多いです。完全に質を均一化することはできませんが、制作フローの整備・共有、従業員教育によって品質の偏差を小さくすることは可能です。

不可分性

無形財は、生産と消費が同時に行われます。ですから、基本的にサービスを提供する人が対象と同じ場所にいる必要があることが多いです。例えるなら、結婚式の写真撮影を依頼されたフォトグラファーは現場に行かないと写真が撮れませんし、その間は他の会場で行われている結婚式の写真を撮ることはできないということです。

無形財そのものを記録・保存するといった対応方法があります。

消滅性

無形財は、生産と消費が同時に行われるため、在庫することができません。在庫がないことはメリットではあるのですが、需要の変動に対応しづらいという点ではデメリットでもあります。

需要の平準化を図る手法として、タイムサービスや季節割引などを導入することで繁閑の差を小さくするといったことが挙げられます。

理解度Check

以下の文章は正しいでしょうか?もし間違っているならどこが間違っているでしょうか?

無形財は有形財とは異なり、試供するのが難しい。したがって、何らかの形で提供する付加価値を伝える必要がある。

○正解
飲食店などの消費者向けの店舗は、店舗の内外装などで提供してる価値を表します。サービス業の場合は名刺やwebサイトが店舗で言うところの外装に当たる訳ですが、競合と変わらないデザインだったら、ちゃんと価値を伝えていないことになります。

マーケティング概論

STP

マーケティングミックス